高校1年の時の彼女の話。
付き合い始めてから初めての夏休み、俺も彼女も部活が夕方まである毎日だったんよ。
俺は運動部で彼女は軽音部。
大体彼女の方が先に終わるんだけど、いつも校門前の石垣に座って待ってくれてて一緒に帰ってたんだよね。
笑って迎えてくれる彼女がいると思うと、俺はキツい部活も頑張れたわけで。
8月の盆前くらいだったかなぁ、珍しく俺の方がいつもより結構早く部活終わったんだよね。
それで、何となく軽い気持ちで彼女を部室まで迎えにいこうと思ったんだよ。
彼女はバンドのボーカルで、俺は彼女の歌声がとても好きだったから
「少しでも聞けたらいいな」
くらいの気持ちで。
でも行ってみたら部室は鍵がかかってるし、扉に付いてる1つしかない。
窓もカーテンがかかってた。
軽音部の部室は防音室なので歌も一切聞こえないし、残念だなぁと思ってたらカーテンから少しだけ隙間ある事に気づいた。
俺は何も考えず覗いてみたんだ。
そしたら、楽器を演奏してる人は1人もいなくて、隅の方で男2人と女1人がいた。

女の人は黒セーラーと薄いピンクのブラを上にズラして、真っ白い胸を露出させ後ろから男に突かれていて、前からはもう1人の男に唇を奪われていた。
俺はそれが非日常過ぎてボーっと見てたんだけど、長いディープキスが終わって、顔がほんのりと赤く上気した女の顔が見えた時に、やっと俺の彼女がバンドの先輩と3Pしてる事を理解した。
理解した瞬間、俺はトイレに走って胃の中のモノを全て吐いた。
そしていつもの校門前の石垣で彼女が来るまで待った。
何かの間違いだったんだと自分で思い込んでたと思う。
クーラーがガンガンに効いてる部屋で部活だったはずの、少し汗ばんだ彼女に震える声で聞いた。
「…今日の部活どうだった?」
いつもの、俺が大好きだった笑顔で彼女は答えた。
「んーいつも通りだったよー」
人間なんてそんなものか、と思うようになった。